オレ非モテだから・・・とか言ってるヤツはとりあえず喋ってみりゃいいんじゃねーの?


決して恋愛経験なんか豊富でなく、想い想われ通算両想い期間よりも一方的に想い続けの通算片思い期間の方が長く、生涯20数年告られ回数よりも告ってフラれ回数の方が多く、ここんとこ数年くらい色々ご無沙汰なオレにだって「モテ期」ってのは確かにあった。


モテ期ですよ、モテ期。


俗に「どんなヒトにも等しく生涯3度はある」という、それどこの都市伝説だよ?っていうモテ期。


この春色バラ色シーズンにおいては、どんな非モテでもありえないくらい、自分でもよくわからないくらいなぜか異性からモテまくってしまうというモテ期。


そのモテ期が確かに自分にもあったんだ。


ここ数年の日照り具合に、さすがに身も心も某肉棒も干からび始めた自分はそんな輝かしい過去の栄光を振り返っては「あんとき異様にモテたのはなんでなんだぜ?*1」と自問自答したりしなかったり。


そう、あのときは何が何だか女の子と話しまくったのだ。


女の子と話すのが楽しくて楽しくてしょうがなかった。


別に「異性とこんなに話せておもしれー」っていう小学5〜6年から芽生え始めるガキの性差感覚っていうわけでもなければ、「モテたい」とか「相手の気を引きたい」とか「ちょっといいとこ見せてみたい」というええかっこしーとかそういうことでもなく、その相手相手と話すことがただただ楽しかった。


むしろ、性の別なんてからっきし意識しなかった。
「性の別を意識しない」ってのは、自分が「メン」だとか相手が「ウィメン」だとかそういう意識をするのではなく、自分も相手も「ヒューマンビーイング」であって、それ以上でも以下でもないというごくごく自然体的な意識といったらよいのだろうか。


そういう意味では、「女の子と話すのが楽しかった」というよりは「話してる相手が面白かった。たまたま結果的に、その相手が生物分類的にメスだった」といった方が正しいかもしれない。


ただ話してるのが楽しくて、ただ自分からの投げ掛けに対して返って来る相手のレスポンスが楽しくて、ただその応酬応酬が楽しくてならなかった。
そこには男女感とか恋愛感情とかいう他意は一切なかった。


男子の中には「なんだよあいつ、いっつも女と話してばっかじゃん」とそしる者も何人かいた。


しかし、自分にはそれが心外でならなかった。


さっきも言ったとおり、自分には「自分は男であって、そして今女と話している」という意識は毛頭なかったからだ。


話してて楽しい「ヒューマンビーイング」と一緒にいて何が悪い?そしりを受けるいわれはないぞ、ってわけだ。


そんなこんなで、男の中には何となく敵視する輩もいたんだろうが、反対に女友達はたくさんできた。


映画観に行ったり、お茶しに行ったり、食事したりということもあった。でもそれは別におデートとかそんなんでは全然ない。相手は「ヒューマンビーイング」なんだから。


そのうち何人かに「実はわたし・・・」ってのがいた。真正面に言われたこともあれば、ひとづてに「らしいよ」って言われたことがあった。


真正面に言われるのはともかく、ひとづてにそんなこと言われたときは「まさかー!だって、オレ、モテないぜ!それにもしホントにラブラブオーラ発してんならいくらモテないオレでも自分で気づくでしょー?ただ傍目で見て親しげに見えるだけだよー」とあくまで女と話しているという意識などない自分は屈託なく返したもんだ。


今になって思えばそれは、そんな鈍感で無神経で女心も気遣えない自分に対する「オマエ、いーかげんにしろよ!」っていう苦言だったのかもしれないが、今となっては彼女らには会うこともないので、ほんとにその「らしいよ」の相手が「自分のことが好き」だったのかもひっくるめて何とも確認のしようがない。


そういうわけで、以上を要するに思う。


(今の自分含め)非モテ非モテ言ってるやつぁ、とにかくべしゃって見れば?
それも「自分は男で相手は女なんだ」とかって変に意識することなく。


そうすりゃ誰かしらは「こんなどうしようもないボク」にも舞い降りる天使の一人や二人はいるでしょ?


キミは本当に「何もないニンゲン」なのかい?「何か」はあるでしょ?
そもそも恋愛するのに「何か」は必要なのかい?


一緒にいて楽しい、一緒に話してて楽しい、お互いにそう思えるのならば、それで一緒になる理由としては十分じゃないか!


相手が「女だ」だとか「かわいい」だとか「どストライクだ」だとか「好きだ」だとかはとりあえずどっかにほっぽっといてさ、相手が自分と変わらない「ヒューマンビーング」だと思ってさ、相手の「女」であることに惚れ込んだってよりも相手のキャラとかパーソナリティーとか内面から湧き出づる雰囲気とかコトノハとかに惚れ込んで、それに触れてると自分は楽しいからそれに触れたいんだ、ってさ、そして「たまたま結果的に相手は生物分類的に言うと”女”だった」っていう風にさ。


相手が「女だ」だとか「かわいい」だとか「どストライクだ」だとか「好きだ」だとかが意識の中にあるからいけないんだと思うよ。


だから、ちょっとでもオクテだったり、自分に自信がなかったりすると話掛けれないし、話掛けれたとしても、相手にそのギラギラ感やソワソワ感や変にぎこちなさが伝わって話が続かなかったりする。


わかるんだぜ、そいうの、見てて。そりゃ相手だって警戒して心開かんわ。


そうじゃなくて、「楽しいぜー」ってイン&ヤンで言うヤン(陽)の部分を思いっきり前面に出てた方が向こうだってヤンの気に包まれて、自分と話してて「楽しい」って思ってくれたりして、それがきっかけで自分のことをよく見てくれたり気に掛けてくれたりして、中には好いてくれるようになる子だっているかもしれない。


よく言うだろ?自分が「嫌だなーこいつ」とかって思いながら話してる相手ってのは、相手も自分が嫌いだった、って話。


びしびし伝わるんだよ、そういう雰囲気ってのは。


そうすりゃ「モテ期」って呼べるくらい、何かよくわかんないけど異性との縁が何かしらあるなー、って状態になれるんでなかべか?


でも、まぁ、モテたからといってそれが本当に自分の狙ってる子かどうかはわからんし、相手がまぢ「異性」の意識なく話してる相手(これは女ではない、女だなんてありえん)だったりしたら、そんな相手から言い寄られても嬉しくもなんともないかもしれんがな。


とりあえず、「女縁なんて何も無い」とかいう非モテからは脱却できるんでない?

*1:って言うと何かものすごい勢いでモテたように見えるが、あくまで普段あまりモテることのない自分にしては、という意味である