こちら他力本願時本殿―コレジャナイ未来


「ワイヤレス充電」実現へ前進――MITが実験に成功 - ITmedia NEWS


このニュース読んで、そういや思い出した。
某所でこんなエントリ書いたっけ。


「こんなエントリ」は続きからどうぞ↓




『他力本願寺本殿』


―それは「世の中もっとxxxxであるべきだよな!」とかって自分は言うクセに「じゃあ、お前やってみろよ!」と返されると閉口してしまう、そんなちょっぴり非力で無才で他人のチカラをついアテにしてしまう口先だけのパンピーたちが集う場。


おや?今日も他力本願寺本殿に他力本願したい人がやってきたようです。


ここはひとつ、ちょっと覗いてみましょうか....。

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住職:
「フム、随分とひねもす考え込んだ様子じゃが、けふはどのやうなご用件かな?」


リーマン:
「はっ、はいっ、ボク、しがないサラリーマンをしております山田太郎と申します。」


住職:
「ほっほっほっ、『山田太郎』とな。げにしがなそうな名じゃ。ほっほっほっ。」


山田:
「よっ、余計なお世話ですよ!!........はっ!!これはとんだご無礼を......。
今回、住職をお尋ねしたのも他でもありません、これからの世界の未来を憂えてのことなんです。」


住職:
「ほぅ…、『これからの世界の未来を憂えて』とはまた大きく出たもんじゃ。して、いかに?」


山田:
「はい、ボクら今とても便利な時代に住んでますよね?あらゆることが機械化、システム化されてボクらは昔のように自らの手を動かさなくても済むようになってきました。」


住職:
「フム、ワシも昔は厠で用を足した後にはパピルスで尻を拭っていたものだが、今や便座から水芸のように水がちょろちょろと出てきてケツも洗ってくれおる。便利な世の中になったものじゃ。」


山田:
「パ…、パピルスってあんたいったい何年生きてんだよ…?」


住職:
「お主…、よもやここに来たときの誓文を忘れたわけではあるまいな?儂に関するプライベートトークは一切GOHATTOじゃ!さもなくば、お主のこの先の人生は保証できんぞ?」


山田:
「はっ、ははぁ!!存じております、住職っ!!申し訳ありません、つい脊髄反射的にツッコんでしまいましたっ!!」
(って、お前どこのゴルゴ13だよ?)


住職:
「よきかなよきかな。して、その先を続けい。」


山田:
「ははっ....。.....でも、これがあるべき姿のようにはボクには到底思えないのです。」


住職:
「ほほぅ?便利になるのはよいことじゃないか?お主はどこが『あるべき姿ではない』と思うのかな?」


山田:
「えぇ、便利になることはとてもよいことだとボクも思います。もっと便利になってしまえばよいとも思っています。
でも、今の進歩というのはボクらの望む未来とは少し斜め上の方向に向かっている気がしてならないのです。
ボク、家電やAV機器が大好きでなんです。
ボーナスが入ってはヨドバシとかさくらやとかでついつい新しい家電を買ってしまいます。」


住職:
「AVならワシも大好きじゃよ。容姿端麗なうら若きムスメたちがあられもない姿で…………」


山田:
「いやぁ、ボクも大好きなんですよね、あっ!この前の○×子の最新作ご覧になりましたか!?


って、そのAVじゃねーよ!


住職:
「ふぅ....ベタなノリツッコミじゃな。やはりしがないのぉ......」


山田:
「ベタでしがなくて申し訳ありませんねっ!」


住職:
「まぁまぁお若いの、そんなに怒るでない。ほれほれ、その先を続けなされ。」


山田:
「............。えぇ、それで毎回家電を買ってくるたびに惚れ惚れしながらこう思うんです。

家電っていいですよね…(恍惚)、って。


生活の中の雑事がオートメーション化されたり、音楽や映像が高品質で鑑賞できるようになったり、日々の生活がとても豊かになった気分にしてくれる…。


住職:
「はっはっはっ、発想が昭和じゃな。高度経済成長期の頃のモーレツサラリーマンを見ているようじゃ。今日も明日もコロッケばっかり食ろうておるお前さんには似つかわしくない生活様式じゃ。愉快愉快。」


山田:
「ぼ、ボクはそんな古くないですよ!

いいですか!?ヒトはついには御伽噺のように魔法を使うことはできませんでした。魔法の絨毯もステッキもホウキもありません。
だけど、ボクらには家電があるんです!テクノロジーがあるんです!!これこそボクらが手に入れた現代の魔法だとボクは思うんです!!


息を呑むような迫力のある映像を映し出す機械、美しい音楽を奏でる機械、大きな蔵がなくても食物を長期保存できる箱、ほうっておけば洋服を洗ってくれる箱...............


ヒトは魔法が使えたらいいなって嘆くけど、これこそ魔法じゃないですか!!
それがステッキの形をしているかメカニカルな箱のような形をしているのか、それだけの違いだけです!!」


住職:
「ほっほっほっ、アツいな青年、ヤケドしそうじゃ。
しかして、何が問題かわからん。家電が魔法であることをもっと多くのヒトに理解してもらいたいとか、そういう話か?」


山田:
「いえ、違います。そんなことではありません!
家電を買ってきてはしゃぎながらセッティングしているとふと思うんです。げんなりしてしまうんです!うんざりしてしまうんです!


家電たちにもれなく付いてくるあのリモコン充電器の連中に!!


ポータブルデジタルプレーヤーを買ってもケータイを買っても携帯ゲーム機を買っても何を買っても、あの充電器のヤツら、金魚の糞のようにだいたいついてくるんです!


テレビを買っても、コンポを買っても、エアコンを買っても、ビデオを買ってもやっぱりコバンザメの子どものように付いてくるんです、リモコンが!


もう何個持てばいいのかと!?


家は便利な機器と一緒にリモコンと充電器が溢れ返っています。


どれがどれのリモコンだか、どれがどれの充電器だか、わたしにはもう何が何だかわけがわかりません!


リモコン何かそれごとにボタンが色々ついていて操作体系も機能も違うからひどいもんです!


充電器なんか、アッポーのマックみたいなスタイリッシュなデザインだったらまだしも、どれもこれも真っ黒でいかつい形をしたいかにも”メカメカキカイキカイ”した無粋なデザインばかりで目も当てられません。


本体はカッコよく、スタイリッシュにするくせに、充電器のデザインなんてどうでもいいんだ!


そして、使いたいときにそこにはないんだ!使いたいときにどう使ってよいかわからなくなってしまうんだ!


デザイン性のカケラもない黒いコードが何本もうにょうにょと醜く床を這ってるんだ!


これがボクらの思い描いた”ベンリ”ですか!?これがボクらの思い描いた”ミライ”ですか!?


いや!違うっ!!断じて違うっ!!


未来っていうのはもっとこう、そう、例えばドラえもんなんかに出てくるように、街の上空には透明色のチューブ型をしたトンネルが走っていて、そこをひゅんひゅんと車が飛んでいて、そこには電線なんて見苦しいものはなくて、家に帰れば都会的な洗練されたデザインの機械がたくさん並んでいて、”ただいまー、あれ?ちょっと暑いなぁ…”とか言うと”カシコマリマシタ、適温ニ設定イタシマス”とかいって冷房が勝手に起動してくれて、空中に手をかざすと透き通ったボタンパネルが出てきて、軽く指でタッチすると色とりどりのキレイな蛍光色を発しながら「ふぅおん」とかいう言葉にできないようなフワフワした音を発しながらキカイを操作してくれて、どこでもドアを開ければシズカちゃんが真っ昼間なのにお風呂に入ってる現場につながるような世界..........、それこそがボクらの思い描いた未来だったんじゃないんですか?


ねぇ!住職!!そうでしょ!?
そうですよね!?ボクは何も間違ってないですよね!


住職:
「ふむ…、シズカちゃんはどうしてまっ昼間っから風呂に入るんだろう?お前はポジション的に由美かおるかっ!!ってところまでわかった。」


山田:
「ヒトのハナシ全然聞いてねー!」


住職:
「とどのつまり、お主は一体この他力本願寺に何を求めるのじゃ!?回りくどい話しは好かん!結論を申せ!!」


山田:
「ボクは…、ボクが望むのは…………、

インターフェースのレボリューションだ!動力確保のペレストロイカだ!!
   

今の家電の進歩は本当の進歩じゃない!このままじゃボクらの生活はリモコンと充電器で埋め尽くされてしまう!
みんなマシン本体にばかりに注視して、似たような、いるようないらないような余計な機能ばかりつけやがって!
本当に必要なのは昔からちっとも変わっていないインターフェース周りの進化だ!動力周りの進歩だ!

   
ボクたち人類はいつになったらここに着手するんだ!?一体誰がここに着手してくれるんだ!?」


住職:
「フム!あいわかったぁ!!お主の望み、そして想い、この住職がしかと聞き届けた!」


山田:
「住職…、わかってくれたんですね…。ボクのこのアツい想いを…」


住職:
「では、この前おねーちゃんのお店で知り合った某メーカー社員にメールでも打っとこう。ナンバー1のかもめちゃんのフリして『充電器とリモコン何とかしてぇん。ぱっふぅん』とでも言えばイチコロじゃ!」


山田:
「お前も他力本願かよっ!!」

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かくして、また今日も一人、青年のアツい他力本願なメッセージが他力本願寺本殿に聞き届けられた。


スゴイぞ!他力本願寺!!ありがとう!!他力本願寺!!!!






っていうようなことを去年くらいに書いたんだけど、リモコンはともかく、「充電器のコード」についてはきれいさっぱりなくなってる光景もそんな遠い未来のことではないのかもしれませんね。


某ゲーム機はインターフェースのペレストロイカでむしろリモコンになったからなぁ(笑)